Avenue.5-0

五番街 ポップな夜はペパーミント
もしくは「涙目ボーイと多感なガール(後編)」の巻

 本が、好きだった。
「本屋の娘」という特権を利用して、小さい頃から、たくさんの本を読んできた。
 ページをめくるたびに、頭の中に広がる無限の世界。読み終わった時の、うれしいようなほっとしたような恍惚感……。
 絵本でもマンガでも伝記でも、ページをめくれるものなら、なんでも楽しめた。
 でも、不思議と自分で本を描きたいと思ったことはなくて。
 むしろ、この感動を共有したくて、ことあるごとにいろんな本を紹介してきた。それを「おもしろかった」と言ってもらうことが、自分の最上の喜びだと思っていたのだけど――。

Avenue.イメージプレイリスト

あなたとPop With You! – Negicco
PARK Ave. 1981 – EPO
真夏のSounds good! – AKB48
「職業:アイドル。」(25idoling Ver.) – アイドリング!!!
アイドルばかり聴かないで – Negicco
バッキューン! – アイドリング!!!
ガンバレ乙女(笑) – アイドリング!!!
BINGO! – NMB48
三日月の背中 – NMB48
アーモンドクロワッサン計画 – NMB48
永遠プレッシャー – AKB48
10月の青い空 – 森川美穂
素直なままで恋をしようよ – 東京Qチャンネル
夜明けのShooting Star – 林原めぐみ
Please Me Darling – Vanilla Beans
Harvest – 広瀬香美

Avenue.1-3

 音楽が止まったきっちり三秒後、咲紀はレッスン場――という名の倉庫の床に、へたり込んだ。
「もうダメ……ひと休みしようよ」
 それを見た野上硝は、
「なに言ってるんですか。まだ三回しか合わせてないんですよ」
 とたしなめながら、三人の少し前にあるプレイヤーに手をのばそうとした。
「ちょっとちょっと、勘弁して!」
 そう言いながら咲紀は、部屋の隅にあるテーブルへ、ドリンクを取りにいくふりをして逃げ出した。
「……さきっちって、ホントおばあちゃんだよねぇー」
 からかうように言った硝の言葉を背中で聞きながら、
<三つしか違わないのに、おばあちゃん言うな!>
 と反論したかったが、息が切れてそれどころではない咲紀だった。
「まぁ、咲紀はこういうのに向いてないから」
 と、硝をなだめながら、伊丹杏菜も咲紀に続いて、ドリンクを取りに行く。――咲紀ほどではないにせよ、ひとつ年上の杏菜も、そろそろ休憩を入れたいと思っていたところだったのだ。
「……まったくもう」
 不満気な顔をして、硝はプレイヤーを手に取り、もう一度いまの曲を再生する準備を整えた。
 この三人がはじめて顔を合わせたのは一週間前のことだった。
 かたひらアベニューの三階と四階の売り場裏に、更衣室だの休憩室だの各店舗の倉庫だのがある。三人が呼び出されたのは、その倉庫の一室だった。空き店舗がある上に、経費削減で倉庫を使わなくなった店舗もあるので、いくつか倉庫用スペースが空いている。そのひとつが、今回の企画――「Iプロジェクト」のレッスン場兼更衣室兼会議室兼スタジオとして使われることになったのだ。
 誰も「Iプロジェクト」の意味を教えてくれないが、きっとアイドルのIって単純な意味なんだろうと、咲紀は思っていた。
 当初の予定では、六月にメンバーの募集をはじめ、書類選考ののち七月に公開オーディション、八月にメンバー决定など数回イベントをして、最後にCD発売をサプライズ発表して盛り上げる――という算段だったのだが、実施決定が遅れた上、予算半減になってしまい、大幅に計画を変更することになった。
 その結果、当初二十人規模で考えていたメンバーを三人に絞り、その三人はオーディションではなくかたひらアベニューでバイトしている女の子の中からピックアップする、ということになった。そして選ばれたのが、喫茶店「ラ・フレイズ」でバイトしている女子高生の野上硝、雑貨屋「d-light」でバイトしてた大学四回生の伊丹杏菜、そしてパン屋「クレセントムーン」で働いている川野咲紀の三名だったのである。
 予算削減にともない、スケジュールも変更になった。なるべく早く顔を出して、少しでも知名度と人気をあげ、新規出店組のゆるキャラと差をつけて、旧商店街組有利にすすめ、あわよくば新規出店組の予算をぶんどろう――というセコい作戦である。
 ということで、三人による「ご当地アイドル」のお披露目が、一ヶ月後に予定されていた。もともと公開オーディションをやる予定を、「お披露目会」に切り替えたのである。とはいえ、アイドルとしてお披露目するからには、それなりに歌って踊れなければならない。そこで、三人による猛特訓がはじまった、というわけである。
 問題は、誰がレッスンをするか、であった。ダンスを教えることができる人なら呼べないことはないけれども、それにしたって予算の壁がある。その点、硝はうってつけの人材だった。もともとアイドル志望だったらしく、歌やダンスが多少できたので、硝が完全未経験者の咲紀と杏菜を指導する、ということになったのだ。
 三人の中では一番年下の硝だったが、指導には遠慮がなかった。できないことはできるまでやるし、できていたところを手抜きすると、
「レッスンで手抜きするとクセになる!」
 とやり直しをした。
 が、無理強いはしないというさじ加減があった。
 そもそも咲紀は、断るつもりだったのに、
「お願いします! 一緒にやってください!!」
 と硝が懇願したとこで、しぶしぶながら引き受けてもらったという経緯があるからだ。
 なにもできずに恥をかくのも困るけど、大切なメンバーが欠けてしまうのは、もっと困る。それが、ちょうどいいブレーキとなっていたのである。
 ひと休みして、咲紀が立ち上がったのを見て、
「じゃあ、もう一回最初からいましょー!!」
 と、硝がプレイヤーに手を伸ばしたときだった。
 ゴンゴンとドアを叩く音がして、三人が返事をする間もなく、一人の女性が倉庫に入ってきた。
「あ、茶月さん、おはようございます!」
 硝が、声をかけた。――ちなみに、時刻は夕方六時である。
 その女性――久松茶月は、
「ちょっと話があるんだけど、いい?」
 そう言うと、返事も聞かずに、パイプ椅子を広げて、自分だけ座った。
 茶月が、このプロジェクトのマネージャー兼ディレクター兼プロデューサー――ということになっていた。ケーブルテレビのレポーターとかをやってるフリーアナウンサーでもあり、かたひらアベニューの旧商店街組のひとりでもあるお茶屋さんの娘でもあることから、世話役に抜擢されたのである。
 咲紀や杏菜より、確実にひと回り以上年上だが、以前咲紀が年齢を尋ねたとき、
「アラサーなことは否定しないけど、四十路ではない」
 と言っていたので、きっと今年か来年には四十になるくらいだろうと、咲紀は予想していた。
「私達の番組が決まりましたぁ!」
 と言って、茶月はわざとらしく拍手をした。
「えー、すごーい!!」
 と喜んだのは、案の定硝だけで。
 咲紀と杏菜は、
「私達の……番組!?」
 と、顔を見合わせるばかりだった。

Avenue.1-4

「はい、みなさんこんばんは! ペッパー&ミントのミント担当、野上硝です♪」
 いかにもアイドルらしい笑顔を振りまきながら、硝が元気よく話しはじめた。
「ペッパー&ミントの白コショウ担当、伊丹杏菜です」
 あくまでクールに、杏菜が続いた。
「ペッパー&ミントの黒コショウ担当、川野咲紀です……」
 不機嫌そうな声で、咲紀が言った。「それにしても、『黒コショウ担当』って、ちょっとひどくない?」
「だって、咲紀ちゃんは地黒だし」
 と、硝。さらに、
「なにも黒コショウになれって言ってるわけじゃないし」
 と杏菜が続ければ、
「どうせなら、もうちょっとかわいいのがよかったな」
 咲紀がさらに反論。「たとえば――」
 そんな感じで、番組ははじまった。素人とは思えないなかなか軽快なトークに、三人の向かいに座っている茶月はにんまりとする。
 ここは、レッスン場兼更衣室兼会議室として使われている倉庫だ。その一角に、スタジオが設けられていた。スタジオといっても、テーブルと人数分の椅子、安物のマイク、そして三人の正面にノートパソコンが一台。これが、スタジオの全容だった。
 茶月の言っていた「番組」のために用意されたのが、このスタジオだ。最初三人は、テレビとかラジオの番組を思い描いていたのだが、実際にはじまったのは、ユーストリームでの配信だった。ユーストリームなら、それこそスマートフォン一台でもなんとかなる。そこで、あちこちから機材をかき集めて、このスタジオもどきがでっちあげられたのである。実際、三人が使っているマイクは、旧商店街組のおじさんたちが所有しているパソコンから、使っていないおまけのマイクを没収したものだ。
 そんな「スタジオ」から毎日、三人――ご当地アイドル「ペッパー&ミント」の番組を放送することになった。ライバルである新規出店組は「ゆるキャラ」だ。ゆるキャラに使う着ぐるみは、制作に時間がかかる。ならば、その間に「ペッパー&ミント」側は動き出してしまおう、という作戦になったのだ。どちらもやるなら、これは勝負だ。勝負は先手必勝――ということらしい。
「とにかくすぐにできる」を検討した中から生まれたのが、このユーストリームでの番組配信だった。
 当初茶月は、「毎日一時間、三人揃って生放送」を主張していたのだが、「本業のバイトもあるし、そもそもド素人が毎日一時間は無理!」と三人が強硬に反対し、結局「三人が日替わりで、三十分の生放送」ということに落ち着いたのである。
 妥協の産物で生まれたこの放送だが、これが意外とうまくハマった。各曜日ごとに一人あるいは二人が担当するのだが、組み合わせごとに番組内容が変わるので、それぞれのキャラクターが明確に伝わったのである。
 たとえば、火曜日は杏菜ひとりで担当する「人生相談の日」だが、メールやコメントで寄せられた相談に杏菜が一言でバッサリ切ることで、クールなイメージが明確になったし、木曜日の硝と咲紀の組み合わせでは、「硝が咲紀に、イマドキ女子についてレクチャー」という内容にしたことで、咲紀のおばちゃんキャラと硝の王道アイドルキャラができあがった。
 当初は一桁の視聴者数だったが、すぐに二桁に乗り、一週間後には三桁になる時間も出てきた。もともと「二週間は練習のつもり」と割りきっていた茶月にとって、これはうれしい誤算ともいえた。
 うれしい誤算といえば、たまたま集まった三人だが、咲紀がボケて、硝がツッコんで、杏菜がフォローする……と、うまい具合に役割分担ができたことだ。役割分担ができれば、話の掛け合いがスムーズに進む。誰かが決めたキャラクターではなく、もともと持っていたものだから、未経験者の三人でもすぐに放送というスタイルに馴染めた。それどころか、先週の土曜には、話が弾みすぎて、予定時間をオーバーしてしまったほどである。
 そして今日は、放送二十回目。三人が揃って放送するのは三回目だが、結成して一ヶ月も経っていないとは思えないほどのスムーズさで、トークが進んでいた。もちろん台本は渡してあるが、ド素人がそれを頼りにするとかえってギクシャクしてしまうので、ある程度の流れを書いたものに留めている。そのおかげで、三人はのびのびとてきててるのだが、そろそろしっかりとした構成台本を作った方がいいかなと、茶月は思い始めた。
 来週の日曜、「ペッパー&ミント」のお披露目イベントがある。そもそもこの放送は、そうしたイベントの告知が目的のひとつでもある。だから、告知はちゃんとしてもらわないと困るのだ。
 しようがないなぁ――と、茶月は小型のホワイトボードを手にとった。「来週のイベントの話をして!」と書きかけたところで、突然「ドン!」とドアが乱暴に開く音がした。音に驚いて、三人のトークが止まる。
 茶月が音がした方を振り返ると、そこには黒尽くめのあやしいキャラクターが立っていた。
 顔を見ると、キリッとしたつり目がついているから、どうやらカラスをイメージしたんだろうなということはかろうじてわかるが、くちばしがしなっとしていてだらしない。全身は、手芸屋で調達してきた黒い布をやっつけ仕事でポンチョにしただけで、鳥のイメージはまったくない。しかも、袖から出ている白手袋は、こっけいですらある。
 そのキャラクターは、ずかずかと放送中の三人に近づくと、なにかしゃべりはじめた――様子だったが、まったく声が聞こえない。
 ポカーンといる三人に気づいたのか、そのキャラクターは、一番手前に座っていた咲紀に、一枚の紙を手渡した。
「え、これを読めばいいの?」
 咲紀の言葉に、黒尽くめのキャラクターが、大きくうなずく。「『ぐへへへ、オレ様は腹クロ兵。かたひらアベニューのゆるキャラだ。今日からこの番組はオレ様が乗っ取った!』……こんな感じでいい?」
 咲紀の思いっ切り低くした声色が気に入ったようで、そのキャラクター――腹クロ兵は、何度も大きくうなずいた。
 それを聞いた硝が、
「自分でゆるキャラって言っちゃダメじゃん」
 と、笑い出した。それを見て、腹クロ兵が手をぶんぶん振り回す。
「『なんだと、バカにするな! オレ様は本気だぞ!』」
 咲紀が、アドリブでセリフをつけると、それを聞いてまた硝が大笑いした。
<新規出店組のゆるキャラが殴り込みか……>
 茶月の耳にも、そろそろゆるキャラができるらしい、というウワサは届いていたけど、まさかこちらに乱入するとは思ってもみなかった。
 見ている分にはおもしろいけど、かと言ってこのまま放置するわけにもいかないし――。
 しばらく考えて、「咲紀に『覚えておけよ、また明日くるからな!』ってセリフを言ってもらって、出て行ってくれればそれでいいし、ダメならわたしが引っ張りだすか……」という方針を決めた茶月は、咲紀のセリフを紙に書き始めた、そのときだった。
 いままで端に座っていた杏菜が、すっとカメラ(といっても、パソコン用の小さいやつ)の前に出てきた。
 なにごとかと、腹クロ兵が振り向いたその瞬間、
「邪魔しないでよっ!」
 そう言ったかと思うと、杏菜は見事な回し蹴りを、腹クロ兵の脇腹にきめた。
「ぐえっ」というかすかなうめき声と、「パキッ!」というなにかが折れる音が聞こえたところで、その日の配信は、突然終了した。

Avenue.1-5

「なんか、すごいことになってるね」
 ステージの裏についた硝は、会場から聞こえてくるざわめきに、杏菜と顔を見合わせた。
 七月最後の日曜日。「ペッパー&ミント」のお披露目会場となった、かたひらアベニューのイベントスペースには、三〇〇人以上の観客がつめかけていた。
 きっかけは、一週間前の「腹クロ兵ユーストリーム乱入事件」だった。そのときの視聴者数は一〇〇人程度だったのだが、それを録画した模様が動画サイトに転載され、それを見たユーザーが、
「アイドルがゆるキャラを暴行!!」
「これはマジでやばいw」
「放送事故キター」
 などと拡散されたのだ。その結果、動画の再生回数は一万回を越え、かたひらアベニューのフェイスブックページの「いいね!」は、二〇〇から三〇〇〇に急上昇、ツイッターのフォロワー数も五〇〇〇を超える事態になってしまったのである。
 そして迎えたお披露目イベント当日。
 開店前に並んだ人は、かたひらアベニューオープン時の一〇〇人を越える二〇〇人の新記録となり、イベント開始の二時間前――十三時には満員御礼となり、一時は入れなかった人とスタッフが一触即発の事態となったが、急遽十五時の回に加えて、十七時からもう一度イベントを開催することでことなきを得るにいたったのである。
 多少でもネットで話題になれば……と思っていた茶月だったが、まさかこんな展開になるとは予想していなかった。が、さびれはじめていた「かたひらアベニュー」に、これだけの人が集まったということが、うれしくもある。
「あの……茶月さん」
 感慨に浸っている茶月の元へ、咲紀が話しかけた。「わたしの衣装って、まさかこれですか?」
「そうよ」
 咲紀の持っていた「モノ」をちらっと見て、茶月は即答した。
 しがないショッピングセンターが成り行き任せでつくったアイドル「ペッパー&ミント」に、専属の衣装さんがついてるわけもない。が、私服で出るわけにもいかず、昨日茶月が洋品店の倉庫から、売れ残りの服をかき分けて、なんとかそれっぽい衣装をでっちあげた――と、咲紀たちは説明を聞いていた。
 確かに、硝の衣装はフリフリのかわいい系、杏菜の衣装はクールなカッコイイ系という違いがあるものの、それぞれ華やかなものが用意されていた。だのに、咲紀に用意されていたのは、まつたく別のものだった。
 黒いポンチョに、吊り目の怖い被りモノ――。
「これって、腹クロ兵の衣装じゃないですか!」
 咲紀の抗議にも、
「うん、そうよ」
 茶月は、平然と答えた。
 例の「乱入事件」で、杏菜の回し蹴りを食らった腹クロ兵の「中の人」は、病院での診察の結果、「肋骨にひびが入って、全治三ヶ月」という診断が下ったのである。
 今日のイベントは、ペッパー&ミントと腹クロ兵の合同お披露目会ということになっていた。が、中の人が負傷してしまい、困ったのが新規出店組だ。ただでさえ出遅れているのに、ここにきてお披露目まで延期されてしまっては、たまらない。自分たちのミスならまだしも、中の人を負傷させたのは、ペッパー&ミントのメンバーである。補償だ賠償だとわめく新規出店組に、茶月が提案したのが、咲紀に「腹クロ兵」に入ってもらい、ペッパー&ミントを「女の子二人とゆるキャラのアイドルグループ」にしてしまう――というものだった。
 人気面で先行している旧商店街組の企画に便乗できるとあって、新規出店組はその条件を飲んだのである。
「それなら、杏菜ちゃんが入るのが筋じゃないんですか?」
 と咲紀が詰め寄ると、
「確かにね」
 茶月は素直に認めた。が、そうもいかない事情があるのだ。
 かわいい系の硝は、すんなり人気になるだろうと、茶月も予想していた。どちらかというと、美人系の杏菜は、硝ほどの人気にはならないのでは……と思っていたのだが、乱入事件のあと、
「カッコイイ」
「蹴られたい!」
 などなど、妙に人気になってしまい、杏菜に着ぐるみの中に入ってもらうわけにはいかなくなってしまった。そうすると、残る選択肢は、ひとつ――。
「それはわかりますけど……」
 なおも渋る咲紀の頭に、茶月は強引にかぶりものを乗せた。
「じゃ、よろしくね!」
 それだけ言い残すと、茶月はそそくさと逃げ出した。
「ちょっと、茶月さん!」
 着ぐるみの中の咲紀が言ったと同時に、アナウンスが流れる。
『それでは、ペッパー&ミント、ファーストコンタクトライブ、開演です!』
 こうして、世にも珍しい、女の子二名+着ぐるみ一体という、アイドルユニットが誕生したのだった。

Fin.