保護犬のススメ!-はじめに

はじめに

 2018年末、我が家では里親として保護犬を迎え入れました。
 以前から、犬を飼いたいとは思っていたのです(特に嫁が)。しかし、ペット不可のマンションに住んでいたため、飼うことができなかったのでした。が、2018年9月、一戸建てに引っ越したことで、ようやく犬を飼う環境が整いました。
 犬を飼いはじめるには、いろんな方法があります。一番簡単なのは、ペットショップで「購入」することでしょう。ブリーダーから、直接譲渡してもらうという方法もあります。「知り合いの飼い犬が子犬を産んだので譲ってもらった」というパターンもあるでしょう。
 いろんな方法があるのはわかっていますが、我が家では「できれば保護犬から」と考えていました。
 パピーミル(子犬工場)とも言われる悪質な繁殖業者の存在は知っていました。そして、殺処分される動物がまだまだ多いことも、動物を保護して新たな飼い主を探す活動をしている方々がいることも。
 そんなわけで、犬を飼える環境になったのを機に、迎え入れる子を探しはじめたのですが……。
 これがなかなか、大変な作業でした。
 まず「どうやって探すのか?」から調べないといけませんでした。これが第一の壁。その壁を突破しても、我が家の希望する条件の子がなかなか見つかりません。見つけたと思っても、保護団体の提示する条件に合わなかったり……。
 そう、「この子を引き取ります」「はい、どうぞ」というような、簡単な話ではなかったのです。

「保護犬」という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。中には、我が家のように「保護犬を引き取りたい」と思っている方も、いらっしゃると思います。ひょっとしたら、「探してみたけど、あきらめてしまった」方も、いるかもしれません。
 あるいは、「保護犬」という存在は知っていても、漠然とよくないイメージを抱いていて、敬遠している人もいるでしょう。
 そこで、我が家での経験を元に、保護犬を探するノウハウや実際に里親になるまでの手順、それから「保護犬ならではのメリット」を紹介しようと思います。
 ひょっとしたら「メリットなんてあるの?」とお思いの方も、いるかもしれません。「かわいそうだから引き取るんでしょ」と。
 それが、違うんです。
 保護犬には保護犬のメリットが、ちゃんとあるんです。

 実際に犬を迎えるにあたり「保護犬はちょっと…」なんて、選択肢から外してしまうのはもったいないと思います。むしろ、「保護犬の方が向いている」ケースだってあるでしょう。少なくともウチはそうでした。
 実際に保護犬の里親になってみて、「保護犬という選択肢は特別なものではない」と実感しました。わたしは、保護団体の関係者ではないので、「犬を飼うなら保護犬から!」と主張するつもりはありませんが、経験者のひとりとして「保護犬はいいよ!」とおすすめすることはできます。
 犬を迎えるときは「運命の出会い」なわけですが、どんな手段であろうと個人的にはとやかくいうつもりはありません。が、「せめて保護犬を選択肢のひとつに」とは思います。
 保護犬について目にする機会も増えてきましたが、「保護犬を飼ってみてどうなの?」という情報は、まだまだ足りてないと思います。
 実際に保護犬の里親になったひとりとして、そうした部分を補えればいいなと考えています。

omimi

保護犬のススメ_構成

保護犬のススメ!

はじめに
Paw-01 そもそも保護犬って?
Paw-02 病気・障害のある犬ばっかり?
Paw-03 仔犬はいない?
Paw-04 成犬から飼うメリット
Paw-05 譲渡条件が厳しい理由
Paw-06 独身者・高齢者は絶対にダメ?
Paw-07 費用はどれくらい必要?
Paw-08 保護団体との相性は大事
Paw-09 譲渡までの流れ
Paw-10 どこで探す?
Paw-11 あわてない・あせらない
Paw-12 応募の前に
Paw-13 病院&サロンは事前に探しておこう
Paw-14 アンケートは最初の難関
Paw-15 お見合いのポイント
Paw-16 トライアルとは?
Paw-17 トライアルまでに用意するモノ
Paw-18 トライアル期間はケースバイケース
Paw-19 正式譲渡になったらすること
Paw-20 フードのはなし
Paw-21 近況報告はどれくらい?
Paw-22 トレーナーさんは「なるはや」で
Paw-23 おすすめ便利グッズ
Paw-24 保護犬「じゃない」選択肢
Paw-25 里親になる以外にできること
Paw-26 保護犬という選択肢が「普通」になる
あとがき