koboに出したらKindleで売れた話。

ウチで出してる「フィールド&パーティゲームベスト100」という本があります。
1年ほど前に出したのですが、これがまぁ、売れてません。分冊版を無料キャンペーンで配って、この本を売ろうと計画したのですが、見事に頓挫しました。
で、その本をkoboに出したんです。KDPセレクトを外してあった本が、これしかなかった、という事情もあるのですが。
当たり前のように、koboに並べても売れません。
ま、売れるとは期待していなかったのでそれはいいのですが……koboに並べたら、その「フィールド&パーティゲームベスト100」が、Amazon(Kindle)で売れたのです。
「あきらめた本」なので、告知とかしてません。やったことは、ホントに「koboに並べた」だけなのです。
つまり、「koboに並べたのでKindleで売れた」としか思えません。
これは完全に、予想外でした。
多ストア展開に、告知効果があるとは……。

ただ、それが有効ではないケースもあるようで。
「ネットブックでLinux♪」は、Amazon(Kindle)、楽天kobo、Google Playと3ストアに並べています。どれも120円に設定しているんですが、おそらくストアのセールで、Googleだけ108円で販売されているんです。
複数のストアで比較する人がいるなら、Googleで売れてもいいはずなのだけどなぁ……。

柚子湯の季節(1)

 ピピピピピ。ピピピピピ。
 甲高い着信音に気付いたのは、しばらくたってからだった。――普通の着信音ってことは、アドレス帳に登録していない人からの電話か。出なきゃいけないと思っても、体が動かない。そもそもわたしは、目覚めのいい方じゃない。
 そうこうするうちに、着信音が止まった。のそのそと布団から手を出して、目覚まし時計を手に取る。午前八時。――午前八時!?
 ようやくベッドに入ったのが今朝の五時だから、まだ三時間しか寝てないことになる。
 誰だこんな『早朝』に電話をかけてきたヤローは。
 携帯電話を手に取ろうとして、テーブルの上に目をやって、はっとする。テーブルの上には、いくつものビールの空き缶と、食べかけのお寿司。そうしたあれやこれやの中に、携帯電話が埋もれていた。
 昨日が、父の葬式だった。末期のガンと診断されて、入院して一ヶ月もしないうちに逝ってしまった。とはいっても、この十年アルコール中毒で、苦労ばっかりさせられていただけに、ほっとしたという気持ちの方が強い。
 葬儀の後、参列者にふるまったお寿司の残りをつまみながら、これからの事務手続きをチェックしていた。正直、ろくでもない父親だったけれども、あれやこれや手続きしないといけないということは、それだけ生きていた証があるわけで……なんて思っていたのは最初のうち。あまりに一人で片付けなきゃいけないことが多くて、うんざりしてしまった。
 あれこれ手続きしなきゃいけないということは、夜型のわたしが昼間にやらなきゃいけない仕事が増えるということだ。これ、嫌がらせでしょ、絶対。
 テーブルの上のゴミをさっと片付けて、わたしは携帯を探し出し、画面を確認した。留守番サービスに伝言は入ってないようだ。とすると、間違い電話かイタズラか。なんにせよ、貴重な睡眠時間を奪われたことが腹立たしい。
 今日から仕事に戻るつもりだから、もう一眠りしたほうがいい気もするけど、すっかり目が覚めてしまった気もするし、難しいなぁ……と考えていたころで、また電話が鳴った。素早く電話番号を確認する。さっきと同じ番号だ。わたしはキーを押して、電話に出た。
「もしも……」
『あー、ようやく出たわ。もしもし私。っていってもわかんないかなぁ。私よ』
 わたしがなにか言うより早く、相手がまくし立てた。そこそこ年のいった、女性の声だった。とはいえ、『私』と言われても、さっぱり声に聞き覚えがない。
「あの、どうも、おはようございます……」
 念のため、お仕事モードの声で、様子を探る。男性の声を聞き分けるのは得意中の得意だが、女性の声は自信がない。
『だから、あなたの母親の淑子よ』
「は……はぁ!?」
 その一言で、わたしは完全に目が覚めた。
 わたしの母親は、かれこれ一五年前に家を出ていった。外に若い男を作って、家出してしまったのだ。それ以来、音沙汰なしである。わたしが高校に入って、家計を助けるためにアルバイトをはじめたら、今度は父親が働かなくなって、死ぬほど苦労した時期にはまったく連絡もよこさず、父親の葬儀の翌日に電話をかけてくるなんて!
『そういや、昨日が幸さんのお葬式だったんだってね。連絡があれば、最後くらい顔を見にいけたんだけどねぇ。最後まですずには苦労かけただろうねぇ』
 しみじみ、電話の向こうの母は言った。
「なにぶん急なことだったもので、ご連絡もできずに失礼しました」
 そう言ったものの、わたしは連絡をするつもりはなかったし、そもそも連絡先すら知らない。それ以前に、なんで母は、わたしの電話番号を知っているんだろう?
『ところでさぁ』
 電話の向こうの母は、妙な猫撫でで言った。『幸さん、あなたと一緒に住んでたんだって? ということは部屋がひとつ空いたってことよね。私と一緒に暮らさない?』
「一緒に暮らすって……ここで!?」
 唐突な展開についていけず、なんて言って断ろうかと思っているウチに、
『住所は聞いてるから、今夜にでもいくわ。それじゃあね』
 それだけ言うと、母は電話を切ってしまった。
 わけのわからない展開に、わたしはしばらく呆然としていた。

【レビュー】アーサー・クリスマスの大冒険

ディズニー・チャンネルでやってたんで、なんとなく見始めたんだけど、結局最後まで見てしまいまして。
割と好きなタイプのお話だったのでご紹介。

サンタさんは、宇宙船みたいな乗り物でプレゼントを配達してて、かなりハイテク化しているのですけど。
んで、一人にだけプレゼントが配達されてないことが発覚するのだけど、サンタ&サンタの長男は「問題ない」と無視。そこへ、へなちょこな次男・アーサーが、食ってかかったところへ、引退した前サンタ(おじいさん)が出てきて、倉庫から旧式の「空飛ぶそり」を出してきて、アーサーとおじいさんが、残りの一人に配達しにいくのだが……というお話。

こーゆー、「定番のモノを、現代的(あるいは近未来的)に置き換えた話」って、無条件に好きなんだよねぇ。
へなちょこな少年と、よぼよぼのじいさんが配達ってことで、次から次へとトラブルが起きて、「無事に配達できるの!?」とハラハラドキドキ。「ひょっとして、これってあのパロディじゃね?」みたいなところもあって、大人も楽しめるポイントも。
正直、「もうちょっと整理できたんじゃね?」と思うところもあったりはするけど、全体的には、よくできてます、やっぱり。
ということで、オススメ♪


夜景の季節(1)

 どこの誰かは知らないけれど、いまこの眼下に広がる夜景を「地上の星座」と例えた人は天才的な詩人だと、衿子は改めて思った。足元に広がる幾千万もの星たちが、人の呼吸と同じ速さで瞬いている。世界に冠たる大都市・TOKYO。やっぱり、この景色が好きなんだな、わたし――。
「久し振りだな」
 貢は、衿子の横に立った。「東京タワーに上るのも」
「ひょっとして、五年ぶり?」
 衿子の問いに、貢は軽く肯いた。「そういう君は?」
「実はわたし、昨日も来てたりなんかして」
 と、衿子。
「ってことは、二日連続?」
「そう。昨日は天気がよくなかったから、夜景もあんまりきれいに見えなかったけどね」
 衿子は外の景色を見たまま、答えた。
 クリスマスには賑わっていた東京タワーも、今年が残り少なくなるに連れて驚くほど静けさを増していく。まわりには、ふたりと同じようなカップル――といってもそのうち二組は、三〇年は一緒にいようかというベテランである――が数組、のんびりと足元を埋め尽くす風景を眺めているだけである。
「五年前に比べて、またずいぶんと綺麗になったな」
 肩に載せようとした貢の手をサッと避けるように、衿子は夜景に背を向けた。
「お世辞を言ったって、何も出ないわよ」
 かなわないな、とばかりに首をすくめた貢は、
「相変わらずつれないオンナだな、おまえは」
 と言って、自分もガラスに背を向ける。――初々しい中学生らしきカップルが、ふたりの前を懐かしい声を巻き上げながら通り過ぎていった。
「いかがですか、久し振りに見た東京の夜景は」
 軽い笑みを浮かべて、衿子は貢を見上げた。そういえば、この人は背が高かったんだな――そんな事に、はじめて気が付く。
「どうもこうも…」
 貢は、懐かしそうに呟いた。「ゆっくり夜景を眺めたことなんて、ないからな」
「そうだろ、そうだろ」
 衿子が、満足気に肯く。「夜景を眺める余裕なんて、なかったもんね」
「そうだな……」
 それだけ言って、貢は視線を夜景に戻した。
 ――いつの間に、こんなにダンデイーな表情をするようになったんだろう。
 物憂げな貢の横顔に、衿子は新鮮な驚きを覚えた。
 もっと子供のように無邪気な表情をしている人だった。少なくとも、出会った頃は。好きだった貢も、もうすでに過去の人なんだ――そう思うと、衿子は一抹の寂しさを感じた。

kobo参入。

楽天Koboライティングライフが始まったということなので、参入しました。
すでにレポートされているように、登録はサクサクですねー。
グレーアウトしてるんだかしてないんだかよくわかんない場所があったりするのと、ジャンルが細かく指定できないのを除けば、理想的といっていいかも。
いまは慣れちゃったけど、やっぱりAmazon(Kindle)は難しいし、Google Playは難解だよなぁ。
出すときに、ちょっと困ったのが実機テスト。kobo、持ってないんですよねー。
かといって、ブラウザで確認するだけっていうのも……ねぇ。
その点、Kindleはプレビューアがあるし、普段からアプリ版のKindleも使ってるから楽。まぁ、最近プレビューアが信頼できなくなってるって問題はありますけど(笑)
というわけで、今回はiPad miniのiBooksでEPUB 3ファイルを直接開いて、確認することにしました。
いやー、iPad mini買っておいて正解だったわー。

んで。
今回、2冊登録したのですが、どちらも24時間以内にはストアに並びました。
それは想定内なんですけど、koboもGoogleも、ダッシュボードで「販売中」表示になってから、実際ストアに並ぶまで、少し時間がかかります。
いまでこそ「そんなもん」と思っちゃうけど、慣れないと不安かも。

ちなみに、今回出したのは、↓の2冊。

kobo:フィールド&パーティゲームベスト100
kobo:ネットブックでLinux♪

あ。Linux本、Googleにもアップしたのですけど、こっちは通常120円が108円のセール価格になってます。わたしはなーんも設定してないんで、Googleさんのセールっぽいです。

Google:ネットブックでLinux♪

Linux本は、Amazon(Kindle)で順調に売れてるタイトルだけに、koboとGoogleに並べてどうなるか楽しみです。