電書時代の新たなビジネスモデル?

先日、「電子書籍を先行販売して、その実績から紙本の刷り部数を決める出版社も出てくるのではないか」と書きましたが(こちら)。
ひょっとしたら、別方向にいきそうな気がしてきたので。

きっかけはこのツイート。

「紙本より電書のほうが売れちゃった」という話。
これに対して、またとあるツイート。

「紙本がないから、仕方なく電書を買った」という見方。
初版部数を多くしていれば、あるいは迅速に増刷していれば、紙本>電書になった可能性もあるでしょう。
ただ、実際に「電書>紙本」の事例が出来てしまったというインパクトは大きいと思います。
いままでは「電書ならすぐに買えるのはわかってるけど、やっぱ紙本がいいなぁ」と増刷を待っていたのに、「電書でもいいや」という層が確実に増えている証拠……じゃないか、と。

となると、ですよ。
紙本より電書の方が利益率高いなら、「増刷しなくていいじゃん」てなことになるのではないかと。
だって、電書なら印刷代も紙代もかからないんだもん。
いや、それどころか。
紙本の印刷部数を絞って、利益率の高い電書に誘導する……なんて戦略も考えられるわけです。
「紙本じゃなきゃイヤだ」という層は、確実に残るでしょう。おそらく、数十年単位で。
だから、電書に完全移行することは考えにくいですが、「紙本を少部数だけ刷って、宣伝媒体的に利用する」みたいなアプローチをする出版社が出てきても不思議じゃないのかな、と。
上のツイートの例でいったら、
「20万部以上印刷しなきゃいけなかったものが、3万部で済んだ」
んですから。

ま、出版業界でもド辺境にいるわたしの言うことなんで、アテにはならないと思いますけど(笑)

Comments are closed.