【書評】332のあとがき ~ ツイッター小説集 ~/高山 環

 Twitterの文字制限、140字。その140字で小説を書く――そう考える人は、結構いる気がするけど、実際にやってみる人は少ないんじゃないだろうか。140字で小説を書くって、そう簡単なことではない。
 簡単なことではないはずなのに、この作者は332本も書いてしまった。もぉ、それだけですごい。それだけですごいのに、なんと全作品にあとがきをつけて、さらに本のタイトルを「332のあとがき」にしてしまった!
 それだけでも、「おそれいりました」と言いたくなるんだけど、中身もこれまたすごい。140字でちゃんと小説になってる。ショートショートらしいひねりもある。くどいようだけど、ホントすごい!
 これだけの数だから、10本や20本、自分の好きな話が見つかると思う。で、それをどんどんしおりをつけるなりマークするなりしていくといい。そうしておけば、電車の待ち合わせとか、ぽっかり数分時間が開いた時に、お気に入りの話を読み返すことができる。
 紙の本だと、「どこだっけ…」と探しているうちに、時間が経っちゃったりするもの。そういう意味で、「電子書籍の威力が発揮できる本」という言い方も、できるんじゃないかしらん。
 お値段もお安いし、すべてのKindleユーザーに「とりあえず買っておけ!」とおすすめできる本。いや、ホントに。

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