ようやく本領発揮!?

【デジものCMぷち批評】

Googleといえば、いまや知らない人はいないほどの大企業になりました。なんせ「検索する」より「ググる」の方が通用する時代ですし。
考えてみれば、Googleの出すものは、二番煎じばかりでした。検索エンジンにしろブラウザにしろ。後発ながら、ことごとく先発組をぶち抜いていってしまうのは、それはそれですごいことですけど(Google+だけは、ちょっとアレですが……)。
そんなGoogleが、唯一と言っていいほど、遅れをとっているのがCMです。
「Appleがまたなにか出したの?」と思ったらGoogleのCMだった……みたいな状態だったのです。

で。先日、「Chromecast」が販売開始されました。これは、スマートフォンやタブレット端末の画面を、そのままテレビに出力することができるツールです。
Chromecastの発売と同時に、TVCMの放映も開始されたわけですが、これがいままでのGoogleのCMとは違い、すばらしい出来になっています。
まずはコレ。

「Chromecastとはどんな製品か」「どう使えるのか」といったことが、簡潔に表現されています。正直、雜誌の記事なんか読むより、このCMを見たほうがわかりやすいでしょう。まさに「百聞は一見にしかず」のことわざ通り。
いままでのGoogleのCM、「絶対に○○○○風に」って発注しただろ、みたいな雰囲気を感じたのですが、これはそんなことを微塵も感じさせません。
そして、「キャストしよう」というキャッチコピー。これ以上ないシンプルさでありながら、行動と商品名どちらもアピールすることに成功しています。お手本のようなキャッチコピーといえるのではないでしょうか。

地味に感心したのが、Chromecastをテレビにセットするシーン。これ、わざとらしく「HDMI」って表示してあるんですよ。これで、「HDMI端子に挿せばいいんだな」とわかるようになってます。
説明シーンでありながら、説明的になってないのが素晴らしい。
同じようなことが、別バージョンの「大海原編」「ガンダム編」でも見ることができます。


最初のスマホを、小さい画面で表示し、そこから画面を拡大させていくことで、テレビで観ることのメリットをストレートに表現しているわけですが、ここで画面が大きくなると同時に、音量も大きくなっているんですよ。このおかけで、視聴者は、
「テレビで見ると、迫力が増すんだ」
と、より強く印象づけられる、というわけです。

これ以上ないくらい、基本に忠実なCMですが、それが「どこかで見たような気がする」二番煎じCMからの脱却に成功しました。
このCMは、GoogleのCMの、ターニングポイントになる予感がします。

※このシリーズは…「パソコン批評」で連載していた「パソコンCM批評」という連載を、ブログに引き継いだ「パソコンCMぷち批評」をリニューアルしたものです。

Comments are closed.