KENPCの傾向と対策。

コーチは教えてくれない水泳のコツ」で、はじめてKENPCの利用があったので、感じたことをメモしておこうかな、と。

Amazonのプライム会員になると、「Kindle オーナー ライブラリー」が使えます。これは、「月に1冊、好きな本を無料で読める」というもの。
ただし、すべての本が対象というわけではありません。KDPだと、「KDPセレクト」に登録した本のみが、その対象になります。
利用者がタダで読む代わりに、Amazonから分配金が支払われます。その分配金が、いままでは「1冊いくら」だったのです。
そうすると当然、「長い本も短い本も同じ収入というのは不公平」という声が出てくるわけです。
そこで、この春から導入されたのが、「KENPC」というシステム。これは、「読んだページ数」に応じて、分配金が支払われます。「ページ数で計算するんだから、不公平はないでしょ?」というわけです。

で。
意外と読まれてないねー。
「誰がどれだけ読んだか?」なんてことは当然わからないのですけれども。
日別のグラフを見ると、明らかに「最後まで読んでないな」ってことが伝わってくるわけです。
平均100ページ、最小数ページ……って感じ。
「長ければ長いほど、KENPCが稼げる」ってわけでもなさそう。
「そこそこ高くて、そこそこ短い(最後まで一気に読んじゃう)」本が、KENPCで稼げるのかも。

茜空の季節(2)

「あの、優柔不断ボンクラオトコが?」
 由利はそう言うと、タバコを吸う手を止めた。「ボクを見捨てないで下さい、って泣きつくタイプだと思ってたんだけど」
「ホント。ありえない話よねぇ」
 そう言いながら、あたしもタバコに火をつけた。二人分のタバコの煙を、給湯室の小さな換気扇がガガガ…とイヤな音を立てながら吸い込んでいく。
 由利は、会社の同僚だ。課は違うんだけれども、お互いかなりのスモーカーなんで、何度も喫煙所で顔を合わせるうちに、彼氏を紹介してもらうほど仲良くなった。それだからこそ、由利から「合コンに出てっ」とお願いされたときに、しぶしぶながらも顔を出したのだんだ。それがまさかこんなことになるとはねぇ。
「で、どうするのよ」
 由利はそう言いながら、ヴァージニアスリムを灰皿に押し付けた。まだ半分しか吸っていない細いタバコが、くの字に折れ曲がる。
「そうねぇ」
 と、ため息をつくあたし。
 そりゃあ付き合ってたわけだから、嫌いなわけじゃあない。でも、心底惚れ抜いて付き合ったというわけでもない。その時に彼氏不在で、悪い印象でもなかったらとりあえず付き合い始めてみて、それがずるずる続いていただけ……と思う。
 英臣は、あれこれ押し付けるタイプでもないし、正直オトコとして物足りない部分もないではないけれども、よもや「距離を置いたほうがいい」なんて言い出すとは思っても見なかった。だから、面食らっているというのが正直なところで、どう対処したらいいのか、思いつかない。
「ほっとけば、『ボクやっぱり、茜ちゃんがいないとダメみたい』とか、言ってくるんじゃないの?」
 と、由利は声を鼻にかかった英臣の声色を真似た。
「まあね。そんなとこじゃないかと……」
 あたしが返事をしかけたとき、由利の携帯電話が鳴った。あたしは、ふうと息を吐いて、軽く背伸びをする。
 二〇代も後半に入ると、続々とまわりの娘が寿退社していく。このままあたしも、ずるずると結婚していくんだろうなと、ぼんやり考えていたところではあった。結婚に大きな幻想を抱いていたわけし、なんとなくってケースが多いことも知っている。しかもドラマチックな出会いで結婚した人ほど、あっさり離婚したりしてるし。つまり、あたしと英臣みたいなのが結婚していくんじゃないかとぼんやりと考えはじめた――というより、覚悟を決めはじめたところではあったのだ。そんなタイミングで、こんなオチが用意されているとは、考えてもみなかったけど。
「だから、茜はここにいるって」
 由利は電話に向かって言った。どうやら相手は、由利の彼氏らしい。でも、そこになんであたしの名前が出てくるの?
「これは大問題だからね。しっかりリサーチするのよ」
 由利は電話を切ると、あたしに向かって、「茜、アンタの彼氏、今日からサイパン旅行らしいわよ」
「はぁ?」
 旅行にいくなんて、一言も聞いてないぞ、あたしは。
 呆然としているあたしに、由利は早口でまくしたてた。
「それも、彼女とだって。職場で大ノロケかましていたらしいわよ。それなのに、当事者の一人が、ここでのんきにタバコ吸ってるってどういうことよ。おかしいと思わない? あのヤロー、とんだタヌキだわっ」
 一方、あたしはと言えば。
 自分でも不思議なくらい、落ち着いていた。
 これで、ツジツマが合う。すでに新しい彼女がいて、あたしはとっくに用済みで、合コンだなんだというのは、単なる口実だったと。そういうわけなのね。
 フフフ。それなら納得だわ。
「茜、笑いごとじゃないでしょうに」
 怪訝そうな由利の言葉に返事もせず、私はニヤついていた。

X-Ray!

さっき、なにげなく「コーチは教えてくれない水泳のコツ」の販売ページを見ていたら、X-Rayが「有効」って表示されていたので、どんな感じになるのか、確認してみました。
それがこちら↓

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頻出単語を、こうやってまとめてくれるのねー。
ほかにも、「画像一覧」なんてものもあったりして。
解説書には、うってつけの機能よね、コレ。
これを見ると、「しっかり作ってよかった」って思うね。

余談。
ポピュラーハイライトも確認したんだけど、ちゃんと「これが言いたい」ってことをハイライトしてもらってて、こちらもうれしかったりして。
「Kindleは著者にもやさしい」って言えるのかも。

茜空の季節(1)

 いきつけのスポーツパーは人影もまばらで、天井から吹き付ける冷房の風が、肌寒いくらいだった。それなりの人出になれば問題ないのだろうが、そろそろ涼しくなりかけたこの時期に、冷房全開は勘弁して欲しい。
 スーツの前ボタンを留めながら、あたしはギネスを注文した。バーテンもいるちゃんとしたバーだけれど、スポーツ見ながら飲むならやっぱりビールじゃないと、雰囲気が出ない。
 壁際のスツールを確保して、タンブラーからギネスをひとくちすする。
 ふぅー。
 この瞬間のために仕事をしている……なんておやじくさいことを言うつもりはないけれども、アルコールを口にした瞬間、ようやくあたしは、仕事の緊張感から解放される。少し前までは、開放感の方が上回っていた気もするけど、最近は緊張がほぐれた途端に疲労感が襲ってくる気がしてならない。
 一息ついたところで、バックから携帯を取り出す。受信メールが二通。携帯のメールは、プライベートにしか使わないから、これはすべてプライベートのメールだ。
 携帯を開いて、メールを確認する。差出人は……先週の合コンで知り合ったオトコノコ。二通とも差出人は同じ。一通目が「お仕事はいかがですか?」ってな内容のご機嫌うかがいメール。その直後に、書き忘れたフリして出したお誘いのメール。
 合コンのあとの「おつかれさま」メールはちゃんと届いた。ほどよい時間をあけて、誘ってくるとは、なかなか見どころあるじゃないの。「下手な鉄砲打ちゃ当たる」じゃないけど、とにかく数だけメールを打てばいいと思っているヤツが多い中、この対応はちょっと好感触だ。
 とはいっても、ねぇ……。
 軽く、ため息。
 スポーツバーの天井からぶら下がっているモニターからは、Jリーグの中継が流れている。カップ戦を生中継しているらしい。人影もまばらな上に、Jリーグのさらにはカップ戦とあって、モニターに注目している人はほとんどいない。若手中心のカップ戦では、名前の知られた選手も出ていないし、こんなもんだろう。
「おまたせ」
 声をかけて、英臣があたしの隣の席に座った。「ちょっと、仕事の片付けに手間取っちゃって」
 英臣は、この近くのデパートに勤めている。デパートの男性社員は、雑務が多くて困る……と英臣は、いつも愚痴っていた。
「それはおつかれです」
 あたしタンブラーを持ち上げ、英臣のカクテルグラスに近づける。英臣は、無言でカクテルグラスを持ち上げて、そのまま一気にジン・フィズを煽った。
 ――しばし、無言。
 最近は、いつもこんな感じだ。典型的な倦怠期のカップルといってしまえば、それまでだけれども。つきあいが三年にもなれば、こんなもんじゃないかとあたしは思っている。
「メール、誰から?」
 英臣が言った。
「え、友達から」
 あたしは即答。それでこの話は終わり……のハズだった。いままでは。ところが英臣は、
「合コンで知り合ったオトコからでしょ?」
「なんでそれを……」
 と言いかけたところで、ハッと気付く。――由利ね。
 もともとあたしと英臣は、由利の紹介で知り合った。となれば、情報源は由利しかいない。そもそもその合コンだって、由利がセッティングして、「メンツが足りないからどうしても」と頭を下げられたから、出たというのに。
「ボクはその……」
 英臣は、あたしの顔も見ず、手元のナプキンをくるくる丸めている。「彼氏がいるのに、合コンに出るのは、ちょっとどうかと思う」
「だからこれは、由利が……」
 あたしの言葉も聞かず、英臣は続けた。
「だから、ボクたち少し、距離を置いたほうが、いいんじゃないのかな、って」

10月の売り上げ雑感

10月の売り上げがまとまったので感想など。

・新刊効果
よーやく「コーチは教えてくれない水泳のコツ」が出まして。
はじめて「1万円/月」の壁を突破しましたー!
いや、KENPCの見込み分含めて、なんですけれども。
とはいえ、新刊+無料キャンペーン+値引きセールのコンボでようやくコレなわけで。
電子書籍だけで生計を立てるまでの道のりは、まだまだ遠いなぁ。

・ランキングの謎
なんだかんだで、「コーチは教えてくれない水泳のコツ」は、10日間ほどランキング1000位前後にいまして。
最高は600位台だったかな?
寝てる間にパタパタっと売れるんで、正確には把握してないのですけれども。
んで。
同じパターンで売った「ネットブックでLinux♪」の方が、販売数は上なんですけど、ランキングで1000位以内にギリギリ1回入っただけでして。
ランキングは、相対的なものなので、断言はできないんですけれども、Amazonのランキング、販売数だけじゃなくて、「販売総額」もデータに含んでる気がするなー。

・返品
Amazon Kindleストアでは、電子書籍でも返品ができるのですが。
今回、「水泳のコツ」が数冊、返品をくらいまして。
純粋に「操作をミスした→返品」の可能性もあるんですけれども、ほとんどが「期待ハズレだったから返品」だよねー。
ちゃんと内容説明に注意書き入れてるのになー。

・おこぼれ
楽しいnote生活」が、久しぶりに売れました。
有名ブロガーさんが、noteで本格的にコンテンツを展開しはじめたので、その余波かも。
なんにせよ、ありがたいことで。

・画像付きツイート
告知のツイートに、小さい表紙画像をつけてみました。
が。目に見える効果はなく。
ユーザーとしては、ツイートに表紙があったほうが興味がわくんで、これからも継続してみるつもりではあるんですけれども。
ま、その前に、表紙を目に引くものにしなくちゃだわ。

・誕生石占い
今年いっぱいでやめることは、ほぼ決めてるのですけど。
10月分が、月末になって売れまして。
しかもUSで(笑)
相変わらず、謎だわー。

・来月以降は…
年内いっぱい、久しぶりに作家モードでいこうかと思ってます。
さすがに、今年中にはケリをつけたい(笑)