電子書籍の「初動」とは

いまでも「コミック(やラノベ、あるいは出版物全体)は、初動が重要」みたいな話が、流れてきます。
それはそれで納得できる話なのだけど、「だから発売日に買って」は違うよなぁ…とも思ってたり。
そんな中、電子書籍について「初動が大事」という話が流れてきたので、「電子書籍の初動」について書いておこうかな、と。

■電子書籍に初動は関係ない
電子書籍だって「発売当初がいちばん売れる」という傾向はあります。
発売当初が一番売れて、1ヶ月でガクンと落ち、1年でほぼ底をつく……という感じ。
紙本に比べれば、落ち方はゆるやかかな?
ですが、「1年経ってから売れだした」なんてケースも、意外と多いのです。
もちろん、紙本でも「じわじわ売れる」ケースがありますが、電子書籍の方が、そうなる確率は高いかな。
電子書籍という媒体が、普及段階にあるというのもあるでしょうけど、紙本と違って「ずっとストアに並び続ける」というのも大きいかと。

■電子書籍の初動は1時間
「電子書籍に初動は関係ない」と言ったのに矛盾するかもしれませんが、電子書籍の初動は「1時間」です。
ストアで販売開始されてから(あるいは予約開始されてから)1時間が、電子書籍の初動。1日でも1週間でもなく。
売れる本は、1時間以内に売れます。
販売開始時間が、昼間だろうと深夜だろうと。
とはいっても、「電子書籍に初動は関係ない」ので、「1時間以内に売れなかったから、すぐに販売終了」てなことにはならないのですけれども。
さっと売れたらほっとするし、初動が悪かったら「キャンペーンとか考えよっかな」というレベル。
なにかしら経営的アクションの判断材料にするという意味で、「電子書籍の初動は1時間」です。

■将来は…?
ま、ウチみたいな零細でしかも電子書籍専業の、ほぼ出版代行な出版社の話だから、大手の出版社さんなら話は変わってくるでしょうけど(笑)
ただ、傾向としてはどこも一緒じゃないかとは思います。
いまのところ、紙本より電子書籍の方があとに出るケースが多いようです。同時に発売するケースも増えてきましたけど。
ただ、「電子書籍の初動」を使う出版社が、今後出てくるかもしれません。
電子書籍で先行して販売(あるいは予約)開始して、その動向で紙本の部数を決めたり。
そうすると「発売して数日が勝負」どころではなく、「紙本が出たときには、すでに運命は決まっている」なんてことに…。

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