【書評】光ラズノナヨ竹

作者がタレントの壇蜜……ということで、冷やかし半分期待半分ということで購入してみたのですが。
いやー、すごい!
「壇蜜が書いた小説」となれば、黙っててもそこそこ売れそうなものですけど、これ、名前伏せてても売れたんじゃないかなぁ。
1行目からぐいっと惹きつけて、そのまま一気に読ませちゃう文章力に脱帽。
リズム感が心地いいんだよねぇ。
余計な飾り立てのない、シンプルな文章でありながら、文章としての色気はちゃんとある。
特に好きなのが、スマホの画面をスクロールしていくところ。
それをああいう捉え方するっていうのは、素直にやられたなぁ。

特にね。小説家志望の人には、これを読めと言いたいね。
「文字数は多いほうがエラい」とばかりに、だらだら文字が連なっているだけで、なにも進まない小説モドキを書いてる人には、これを読んで小説とはなにかを勉強して欲しいね。

「竹取物語」をモチーフにしたそうだけれども、同じように昔話をベースにしたものが読んでみたい……いや、完全オリジナルの長編も読んでみたい、というのが素直な感想。
なかなか「もっと読んでみたい」と思わせるのって、すごいことよ。
そういう意味で、壇蜜は「一流の作家」と言ってもいいんじゃないかしらん。
これから、好きな作家に「壇蜜」を加えよーっと。

Comments are closed.