■はじめに
2015年7月29日に登場した新しいバージョンが「Windows 10」です。Windows「8.1」の後継なのに、Windows「10」という名称なのが不思議ですが……。
スタートメニューの復活、仮想デスクトップの採用、WebブラウザがInternet ExplorerからMicrosoft Edgeにリニューアルなど、注目ポイントは多いのですが、なんといっても話題になっているのは、「無償アップグレード」でしょう。Windows 7/8.1のユーザーは、2016年7月28日までという期間限定ではあるものの、無償でWindows10にアップグレードできることになったのです。
期間限定とはいえ、無料でアップグレードできるのは、実に画期的なことです。「いまのバージョンで使いたいのに、アップグレードをすすめられて困惑」「知らない間にアップグレードされてしまった」といった声もありますが、「いい機会だから、Windows10にアップグレードした」という方も多いことでしょう。
Windows10って、おもしろいOSだと思います。
パソコンでなにか作業をするには、アプリを使うことになるわけですが、Windows10はアプリを開く方法がいくつもあります。「カスタマイズのしがいがある」とでもいいましょうか。どれが使いやすいかというのは人それぞれだと思いますが、カスタマイズしていけば、「自分の手に馴染んだパソコン」になるのは、間違いありません。
ですが、「自分の手に馴染んだパソコン」にするまでが、一筋縄ではいかなかったりもするのです。いくつかのステップを踏まないと使えない機能があったり、似たような項目なのに設定する場所が違ったり……。
そんなときに便利なのが、Windowsのテクニックを紹介した本だったりWebサイトだったりするのですが、それらの多くは「こう設定したらこうなる」というところで終わってしまい、「それがどう便利なのか」「別の方法とどこが違うのか」といったところまで、踏み込めていません。大事なのは、「設定の手順」ではなく、「実際の使い勝手」だと思うのです。
この本では、そうした「実際の使い勝手」を中心に、解説していきます。「こうすると、こう使えて便利」と書きますし、ダメなものはダメと書きます。見た目のテクニック数を増やすために、無駄なテクニックを紹介するようなことはしていません。
慣れたものの方がいい、新しいものを使うのは不安……という気持ちもわかりますが、イメージよりもWindows10は、使いやすいOSです。「食わず嫌い」というだけで、Windows10を使わないのはもったいないと思いますし、どうせ使うのならば、便利に楽しく使えるようになった方がいいですよね?
この本で紹介したテクニック、すべてあなたの役に立つとは限らないと思いますが、Windows10を使うコツをつかむきっかけになればいいな……と思っています。
2016年初夏 omimi