電子書籍時代の改訂問題

この週末、「格安スマホを買う前に読む本」が、妙に売れまして。
特にkoboで売れてるのですよ。
あまりにも唐突なので、ちょこっと理由を探していましたら、類書が出ているのを発見したのです。
「他の本では安くならない」とか、バイラルメディアばりにあおってます。
まぁね。
「この機種と、この業者を使え」
みたいな「答え」を欲していると思うのですよ、読者は。
ですが、使い方も人それぞれなわけで、それを無視して「これにしろ」っていうのも、無責任だと思うわけです。わたしは。

わたしの本には、SIMフリー端末の一覧もなければ、料金プランの一覧もありません。「どれだけ安くなる」という具体的な数字もなし。
ベストな機種や料金プランは、人それぞれってのも理由のひとつ。ですが、ほかにも理由があります。
それは「電子書籍の賞味期限」です。
紙の書籍の賞味期限は、1ヶ月とも言われています。一方電子書籍は、1年くらいフツーに売れます。1年も経てば、端末はごっそり入れ替わってますし、新しい料金プランも出てくるでしょうし。ほかにも値下げとか経営統合とか新規参入とか…。
出したそばから情報が古くなるわけで、そんなものを載せても意味はないのではないか……と思ったわけです。
それと、そもそもこの本は、「みんな格安スマホにしようよ」と訴える本ではないのです。むしろ逆に、「安易に格安スマホに手を出すと痛い目を見るよ」という警告の意味をこめていたりもするんですけど……それはさておき。

そんなことをひっくるめて、機種や料金プランを紹介していないのですが。
電子書籍だからこそ、そーゆー「旬な情報」を入れてもいいのかな、と思い当たったわけです。
紙の書籍を改訂するのは、大変です。お金も時間もかかります。
が、電子書籍なら、修正もカンタンだし、新情報の出た翌日には、反映できます。セルフパブリッシングなら、お金もかかりません。商業ベースだと、修正作業を依頼するのに多少のお金と時間はかかるでしょうけれども。
となると、ですよ。
電子書籍は、こまめに情報をアップデートしていけばいい、ってことになります。
これは、電子書籍ならではのメリットと言えます。
それどころか。
ベースは同じ本で、資料編だけアップデートしたものを、毎月「新刊」として販売したっていいわけです。

改訂(アップデート)すれば、購入したその時点での最新情報が手に入ります。
が、買った時期によって内容が変わってしまう、という言い方もできるわけで。
書き手としては、買った人によって内容が違うっていうのには、違和感があったりもするのですけれどもね。
電子書籍はどう改訂(アップデート)していったらいいのか……ちょっと実験した方がいいのかもなー。

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